女性の三大不妊因子の最後にくるのは、最近急増しつつある“子宮内膜症”です。本来子宮内膜は子宮の中にあるべきなのですが、これが卵巣、卵管、腹膜などの他の場所に出現して様々な不妊原因を作り出すという病気です。

この病気は症状も所見も多彩でなかなか診断が難しく患者、医師両方にとって厄介な疾患です。
 子宮内膜症には二種類のタイプがあります。ひとつは“内性子宮内膜症(子宮腺筋症)”と呼ばれるもので、子宮の筋肉の部分に発生し、三十代後半から四十代に比較的多く見られる症状です。この場合子宮腺筋症といって子宮全体が腫れてきます。これは、着床障害の原因となります。
もうひとつは“外性子宮内膜症”といい、本来子宮の内壁にあるはずの内膜が子宮 外の卵管や卵巣、膣壁などに繁殖してしまう病気です。これは二十代の女性に多く見られ 、通常子宮内膜症といえばこちらが問題とされることが多いようです。

子宮内膜症のデメリット

外性の子宮内膜症の場合、そのデメリットは大きくいってふたつあります。
ひとつ目は、組織内の癒着・閉塞を引き起こしやすいこと、ふたつ目は卵の質を低下させ、妊娠しにくくするという点です。  飛び散った内膜からは、子宮内にあるときと同様に月経時には出血します。そして、ベタベタとしたノリ状になってしまうのです。それが高じると卵巣内で血腫になったり、近くの 組織と癒着を起こしたりすることになります。とくに卵管内にこの症状がみられると、卵 管が癒着したり、閉じてしまったりということが起こり、卵巣内に起こるとチョコレート 嚢腫となって卵子を破壊する原因になります。  一方、たとえ卵管が通っていたとしても、卵の質を悪くするので、妊娠しにくく、体外 受精でも受精しづらいという傾向がみられるのです。その理由ははっきりとはしていませ んが、最近の研究ではこの病が、質のよい卵をつくるメカニズムや着床を妨げるような、 免疫性の要因をつくってしまうのではないかといわれています。  以前は排卵しさえすれば、妊娠は成功すると考えられてきました。しかし、最近では卵 にも質があり、成熟度の高い卵でないと妊娠にまでは至らないということがわかってきて いるのです。ところが、子宮内膜症の場合、この卵のグレードを低下させる要素があるよ うです。



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