体外受精の手順

媒精

奥様の卵子が確認できたら、ご主人に精子を取ってもらいます。これをまず十分に液化し(最初はねばっとしているが置いておくとさらさらになる)密度勾配法を用いて遠心し、死んだ精子、奇形精子、バイ菌等をのぞきます。次に培養液をそっと載せ、下から泳ぎ上がってくる元気な精子を集めます。この方法をスイムアップ法と呼びこれにより高速で直線運動する精子を集めることが出来ます。普通はこの状態で1ml中に1000〜2000万匹位の精子がいますので20万匹位に薄めて使います。そしてこの状態に調整された培養液に卵子を入れることを媒精といいます。媒精に使われる精子は全体の1〜2%のエリート中のエリートです。

採卵

卵巣の中にできた卵子を含む液のたまった袋を卵胞といいます。そしてこの卵胞の中から卵子を取り出すことを採卵といいます。 採卵は全て経膣超音波装置を用いて行います。昔は腹腔鏡下に卵を取っていたのですが、この新しい装置の開発によりおなかに傷を付けず膣から取るように出来るようになりました。膣式超音波プローブの先から針が出るようになっていて卵胞の像を見ながら吸引装置で吸い取ります。吸引装置は採卵専用で低圧がかかるようになっており、卵子に傷を付けることなく取る事が出来ます。軽い全身麻酔をかけて行いますので痛みはなく時間も15から20分くらいで済みます。

卵子の発見

チューブにとられた卵胞液をシャーレというお皿に移し注意深く顕微鏡で観察します。この間に卵が冷えないように卵を絶えず37℃に保つよう暖めた入れ物を使います。また顕微鏡上にもヒーターが入っており細かく温度に注意しています。卵子は白いねばねばの粘液の中の黒い点として見えます。卵子が見つかればすぐに成熟度を判定して培養液に移します。

培養と培養液

卵子は超純水という極めて不純物の少ない水で作られた培養液の中で培養されます。この培養液の組成、浸透圧、pHはスタッフによっていつもテストされ一定の水準に保たれています。また、極微量の毒素(エンドトキシン)が含まれていないかいつも検査しています。培養液の性状によって成功の有無が左右されるからです。

培養液は数種類ストックがあり、受精卵の発育の段階に合わせて、それぞれ最良の培養液が使用されます。また、培養液とみなさんの受精卵には相性があると考え、多数の卵子が採取できた場合は、2種類の培養液で培養するようにしています。そして、もしどちらかの培養液と相性がよくないと判断された場合は、次回は相性の良かった培養液を使用するようにしています。

卵子は酸素5%、二酸化炭素5%、窒素90%に厳密にコンピューター制御された培養器の中で培養されます。この気体の割合は卵管の中のものとほぼ同じといわれています。IVFJAPANでは、培養室内にスタッフがいない業務時間外であっても、24時間監視システムにより、24時間体制で監視しています。気体や温度の状態に異常が見つかった場合、スタッフの携帯電話に連絡が来るシステムをとっています。