
これはIVFJAPANでの患者さんの体験談を元に構成されたドキュメンタリーです。
日付は採卵日を当日と考えてその日からのおおよその日を示しています。
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3ヶ月前「鈴木さん、そろそろ体外受精を考えてはいかがですか。」IVFJAPANで治療を始めてすでに1年が経過している鈴木さんは、ある日先生から体外受精について考えるように提案されます。鈴木さんには子宮内膜症があり、しかもご主人の精子に元気がないといわれています。鈴木さんは後から結婚した友人がどんどん出産していくのを見て少々あせり気味であったので、そのことを真剣に考えてみることにしました。 「体外受精って何だろう???」 鈴木さんは、まず友達に聞いてみます。しかし余り正確な知識を持った友人はおりません。ある友人は「痛いかもしれないよ。」といいます。鈴木さんは少し不安になります。 そこで、鈴木さんは体外受精に関する本を買ってきました。また、雑誌なども見つけこれでおおよそのことがわかりました。鈴木さんのお母さんは「新聞にも副作用のことが出ていたし、そこまでしなくてもいいんじゃない。」といいます。これを聞いて鈴木さんは「やっぱりやめようか。」と思います。 二、三週間考えた末、鈴木さんは体外受精の説明会が開かれることを病院の案内で知ります。「説明会に行ってみよう。」ふとそう思ってご主人と出かけます。病院内にあるラベンダーホールでその説明会は開かれました。 鈴木さんは驚きます。大勢のカップルが集まっているのでした。しかも皆真剣な面もちで緊張気味です。「こんなに多くの人が私たちと同じ悩みを持っているのか。」とわかり鈴木さんは少しほっとします。 説明会では、卵胞刺激、採卵、胚移植など体外受精の一通りのプロセスが述べられます。スタッフの人々の熱意が伝わってきて鈴木さんは感動します。「こんなに多くのスタッフが頑張ってくれるんだ。」ということがわかり少し安心します。 その後説明会は質疑応答に移ります。ここで誰かが「体外受精は痛くないんですか?」と聞きます。この点は鈴木さんも心配していたところであったので、身を乗り出して聞きます。「体外受精で痛みを伴うのは、採卵の時だけです。そしてこの時は麻酔をかけますのでほとんど眠っている間に終わるんですよ。僕だって痛いことをされるのはいやだから、痛いことはしませんよ。」との先生の説明。「へー、そうなんだ。痛くないんだ。」と鈴木さん。何となく不安に思っていたことが説明してもらうとスッーと解消していきます。結構何となく不安に思っているということが多いものです。説明会でも多くの質問が出て色々と納得できる点があり鈴木さんとご主人にとっては収穫となりました 。 このころから鈴木さんは「思いきって体外受精を受けてみようかしら。体外受精をすすめてもらったのも一つのチャンスと考えよう。後で後悔しないためにも。」と考え始めます。お母さんも鈴木さんの熱意に動かされます。 2、3日して鈴木さんは先生に「やはり、一度チャレンジしてみます。」と告げ、その1週間後夫婦でもっと詳しいことを聞きに行きます。万が一の副作用のこと、費用のこと、時間のスケジュール等について詳しく説明してもらいます。「確かに副作用の可能性はあるけれどその確率は大変少なく、慎重にやれば余り心配は要りません。」との説明に納得します。先生は「体外受精のプログラムはとても精巧にできていて、患者さんもスタッフも一歩一歩確実に実行することによって成功につながるんですよ。」とも説明され、夫婦で決意を新たにします。鈴木さんは予約金1万円を支払い予約を完了します。
2ヶ月前いよいよ準備周期のスタートです。体外受精をやるのは次の生理の後です。この周期の生理の14日目頃鈴木さんは病院に行きます。この時スプレキュアという薬をもらい丁寧にその使用法を教えてもらいます。「この薬は排卵を制御して採卵前に排卵してしまわないようにする薬」だとのこと。
鈴木さんは外来で同じように体外受精を受けることになっている人が多いのに気がつきます。鈴木さんはその中でも話やすそうな人に声をかけてみます。その人は松田さんといって体外受精は三度目だそうです。「三度も頑張っている人がいるのか。」自分よりも苦労している人がいて勇気づけられます。「私も始めはびくびくしていて、とても不安だったけど、案外受けてみるとそうでもないわよ。先生にまかせてみたら。」色々な体験を交えて話してくれる内容はさすがに体験者だけあって参考になることばかりです。「前に一緒に受けた多くの人が妊娠したので、私も頑張っているのよ。」先輩の言葉にはずしりと重いものがあります。「あなたなんて若いから一度目で妊娠するじゃないかしら。」余り根拠のない励ましですが何となく嬉しくなります。
5日前四日間の注射を終わって生理の七日目に超音波検査を受けます。「小さい卵胞が育ち始めているから安心しなさい。」といわれ一安心。「明後日、また超音波をします。注射は続けます。」とのこと。二回目の超音波で最大卵胞の直径が17ミリとなったことがわかります。最近下腹が少し張っているようで気になるのでそのことを先生に質問します。先生は「あなたの自然周期の時に比べると数倍もの卵ができつつあるのですから少しおなかがあることはあります。異常ではないので安心して下さい。」といいます。
指示通り夜9:30HCGの注射をしてもらいます。変な時間の注射ということもあり緊張感が高まってきます。
当日ついに採卵当日がやってきます。実は、昨日はやはり今日のことが気になって余り眠れませんでした。朝7:30病院到着。ご主人も緊張気味です。安全のためということで腕に点滴開始。睡眠薬を少量服用。少し眠たくなります。 採卵室に入ります。採卵室には多くのスタッフがすでに来ていて「こんなに早くから沢山の人が私のために来てくれている。」鈴木さんは頑張ろうと思います。先生に「昨日は眠れませんでした。」というと、「誰でもそうですよ。麻酔の時しっかり眠れるからいいじゃない。」と先生は笑います。これで鈴木さんの気持ちはすっかりほぐれます。採卵室は温かく、BGM等も流れていて案外リラックスできる雰囲気です。腟の簡単な洗浄の後「少し眠くなりますよ。」の言葉を最後に鈴木さんはボーッとして眠りに落ちてしまいます。 「鈴木さん卵は7つとれましたよ。」との声に気がつくと採卵は終了とのことです。「もう終わりか。」と思って鈴木さんは心地よくとろとろと眠ります。 12:30PMすっかり目の覚めた鈴木さんは帰途につきます。下腹が少し重い感じはありますが痛みは全くありません。これで体外受精の半分は終了です。 家に帰って今度は「受精するかしら。」と次の心配が首をもたげてきます。「でも心配してもしょうがないや。」鈴木さんはできるだけ楽天的に考えることにします。こんな時は前向きの考え方がよいといつも先生から聞いているからです。翌日は病院に行く必要がないのでゆっくり家で休むことにします。好きなポップスを聴いたり着床のイメージトレーニングをしたりします。
2日後その翌日10:00AM病院へ。先生から、「結構良い胚ができていますよ。6つ受精です。成功率を高めるために2つ胚移植したいと思いますがどうですか。最高双子の可能性がありますので良く考えて下さい。」 鈴木さんはご主人と相談し「成功率の高い方がいい。双子になっても頑張って育てよう。」という結論に落ちつき先生にそう報告します。 「あっという間に終わりますから楽にしていて下さい。」といわれいつものように診察台に横たわると簡単な洗浄の後いよいよ移植です。先生が胚培養士に言います。「準備OK!」 胚培養士が特殊な軟らかいチューブに入れた2個の胚を持ってきます。少し子宮のあたりをさわられたかと思うと「終わりましたよ。少しここで安静にしましょう。」の声。案外あっさりと胚移植は終了し、鈴木さんは拍子抜けします。 鈴木さんは余った3つの胚を凍結保存してもらうことにしました。二回目のチャンスがあるからです。胚のグレードに関する報告書をもらって説明を受けます。入れた胚の内1ヶは大変良いグレード1、他の二ヶはそれぞれグレード2と3とのことでした。 「妊娠の可能性があるからリラックスしていて下さい。当分、お姫様生活をして下さい。掃除はおなかに力がかかるから最小限にして下さい。寝ている必要はありません。」との指示。 これから2週間は黄体ホルモンの薬を飲んで家にいるだけでよいとのこと。 2週間の間鈴木さんは比較的落ちついた時間を過ごしましたが、結果のことが気にならないと言えば嘘になります。特に後半になって下腹が少し張ってくると「もう生理が来るんじゃないかしら。」というような心配がおそってきました。そんな時、鈴木さんは前向きに考えようとポジティブ・シンキングに徹することにしました。
15日後いよいよ判定の日が来ました。朝一番の尿を取って病院でもらった容器に入れます。「ダメならまたやり直そう。」ご主人が言ってくれた言葉に勇気づけられて病院に向かいます。 30分ほど待ったでしょうか。「鈴木さん。どうぞ。」といわれ診察室に入ってみると先生のにこやかな顔。 |
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