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高齢婦人の治療最近では、結婚年齢が上がり高齢になって不妊治療を始める人が増えています。さて、女性の加齢に伴う妊よう性低下は35歳から40歳の間に明らかとなり、45歳までにほぼゼロとなります。これは、卵巣のなかにある卵子の老化が進むためです。特に卵子の中にあるエネルギーの元であるミトコンドリアの老化により卵子は分割が思うように進まなくなります。 また、一方子宮内膜をコントロールしている脳下垂体からのホルモン分泌のバランスが悪くなって内膜が薄くなったり、着床に適した内膜の形成が困難になるためです。 従って、治療の開始は一日でも早いほうが有利です。 原因としては卵巣が下垂体ホルモンに反応する能力(卵巣予備能、ovarian reserve)の低下が考えられます。血清FSH値は閉経の数年前から加齢に伴い上昇しますが、個人差があり、若い方でもすでに卵巣の老化が進行している場合もよく見受けられます。 このため35歳以上の女性では卵巣予備能を調べるため、月経3日目のFSH及びエストラジオールを測定する事をお勧めします。FSHが10IU/ml以上、エストラジオールが80pg/ml以上の方は卵巣予備能力が低下していると考えられます。40代の方でも血清FSHが10IU/ml以下なら卵巣予備能があり、排卵誘発剤に対する反応も期待でき妊娠するチャンスが実際の年齢の平均よりも高くなります。 高齢で血清FSHがかなり上昇している方は卵巣の反応性の低下のため、卵胞が発育しない周期の増加と妊娠率の低下が予想されます。 血清FSHが15以上の方は、カウフマン療法(エストロゲンとプロゲステロンを内服する事により、卵巣を休ませ、血清FSHを低下させる。)が治療の前に必要となります。また体外受精において血清FSHのデーターにより刺激方法を考慮する事もできます。たとえば、FSHが高い値で卵巣予備能力の低下が予想される方はshort法(long法よりshort法の方が採卵数が増加することが多い)やAntagonist法をfirst choiceとしたり、HMGの量を増量したりします。刺激周期で採卵数の少ない方は毎月採卵が実施できる自然周期の採卵がよい結果が出ることもあります。 40歳を超えると3ヶ月ごとに生殖機能は衰えていきます。早い治療開始と体外受精などへのスムーズなステップアップが望まれます。排卵誘発剤を多く使用しても採卵数の少ない方やなかなか卵胞が発育しないような方に対しては、近年DHEAという女性ホルモンの前駆ホルモンをサプリメントとして服用することにより、採卵数の増加などにより良い成績が期待できるという報告がなされており、当院でも採用しています。 |
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