イメージは体の設計図

 イメージというのは、人間の体にたいへんな影響力を持っています。“病気を治す”と いう強烈なイメージを培うことで、難病を克服したという例もあるのです。

イメージ療法で脳腫瘍を退治

 これは、NHKスペシャルでもとりあげられた話題なのでご存じの方もいらっしゃるか と思いますが、アメリカのカール・サイモントン博士が開発した癌に対するイメージ療法 を応用した実例に次のようなものがあります。  末期の脳腫瘍があり、ふつうなら回復の見込みがないはずのギャレットポーターという 九歳の少年に対して、メニンガークリニックのパトリシア・ノリス医師はイメージトレー ニングを試みました。博士は、少年にガン(脳腫瘍)を退治するイメージの絵を描かせま した。すると、少年は宇宙船が白血球とともにガンを攻撃してやつけていくイメージを描 いたのです。それをくり返し描いていくうちに、ある日突然少年のイメージの中に敵がい なくなったのです。そこで、CT検査で調べてみると脳の中にあったみにくい腫瘍の影が すっかりなくなっていたというのです。ギャレット少年は今でも元気に暮らしています。

イメージ力は自然治癒力としての効力を持つ

 この例は、人間のイメージ力というものが、一種の自然治癒力としての効力を持ってい ることを示しています。イメージというのは、脳でつくられるのですが、体はそのイメー ジ通りに動くのです。つまり、「イメージは身体の設計図」であるということができるで しょう。したがって、良いイメージを培えば健康な体を得られますが、悪いイメージを培 えば、病気が進むということは大いにありえるわけです。

イメージは生殖機能にも働く

 イメージとは、もともと脳の中で作る具体的な像のことです。イメージの種類は多種多 様ですし、イメージ力には個体差があるようです。そして、意図的によいイメージをつく り出し、それが心身におよぼす好影響を利用するのがイメージトレーニングです。生殖機 能は精神活動を司る自律神経の作用を大きく受けるので、イメージトレーニングの効果は かなり期待できるといえるでしょう。

イメージは身体の設計図

 イメージは身体の設計図であるということについて、もう少し詳しく見てみることに しましょう。  人間の脳が左右に分かれていることは、みなさんもご存じのことと思います。イメージ は右脳でつくられ、脳の中央にある神経の束を通って左脳へ渡されます。そして左脳は、 そのイメージを現実化し、実生活と結びつけようとするのです。つまり、イメージという ものは具体的に人間の心身の指針を与えることになります。  たとえば、ひとつのイメージが運動神経系に働けば、人間の行動を左右しますし、自律 神経系や免疫系に働けば、体や健康に影響を与えることになるのです。 ところで、イメージは心身がゆるみ、脳の各部分がバランスよく働くようになったとき に最大の効力を発揮します。人間の脳には、動物脳と呼ばれる旧皮質と人間に特有で理性 などを司る新皮質とがあります。そして、よいイメージを培うと旧皮質が働いて安産にな り、悪いイメージを培うと新皮質が働いて難産になるというデータがあるのです。

良いイメージはDNAに対してよい影響を与える

 ここからもわかるように、イメージというものは脳の各部分の機能のバランスを統御す る力を持っており、そのためにイメージトレーニングは治療に大きな効果をあげることが できるということがいえるのです。  いい方を換えれば、良いイメージはDNAに対してよい影響を与えるというわけです。 たとえば、ガンなどの病気は、DNAの組み替えに異常が生じることによって起 きるわけです。したがって、これを修復していけば身体の細胞が正常に戻るのですから、 健康体を得られるわけです。そのような意味で、イメージは身体の完全な設計図であると いうことができるのです。